2009年1月4日日曜日

キプロスに行って来た その2

1974年、キプロスは南北に分裂しました。

歴史的にギリシャ系住民とトルコ系住民が対立を続け、1964年にキプロス紛争が勃発、内戦状態となります。 
1974年にはギリシャ、トルコの両政府が軍隊を派遣、これによって島内のトルコ系住民は島の北部に、ギリシャ系住民は南部に移り、島は南北に二分されました。

南北の境界線は今でも存在し、島を貫く鉄条網によって2つの国に分かれています。

キプロスの首都はニコシアと言いますが、このニコシア、まさに境界線の真上に存在します。
首都が境界線によって真っ二つに分かれている訳です。

境界線がどうなっているのか、見てきました。
内戦で破壊された建物が当時のまま、廃墟のように残っています。
この廃墟が壁のように延々と続き、境界線を形作っているのです。
境界線一帯は立ち入るどころか写真撮影も禁止、銃を持った兵士が警戒にあたっています。

数か所、南北の通行と写真撮影が認められているクロス・ポイントがあります。
南のギリシャ側からトルコ側に入りました。
北側の北キプロス・トルコ共和国に入るにはビザが必要ですが、この北キプロス、日本を含め国際的には独立が認められていません。

パスポートに北キプロスの入国ビザを押すと、南に戻った時、北に不法侵入したとみなされ、戻って来れなくなります。
このため、北の入国ビザはパスポートにではなく、「別紙」を作ってそこにスタンプを押してもらいます。南に入る時は、(スタンプの押されていない)パスポートだけ見せれば良い、ということになります。

クロス・ポイント付近にある「廃墟」は、絵の描かれた布で覆われています。

右側が南から北への通路、反対側が逆の通路です。

北に入ると、コーランが流れ、南側とは街の雰囲気が異なります。
近年、深刻な緊張状態にはないと言われるものの、世界各地にある民族対立の最前線の一つを見たような気がします。


クロス・ポイントにあるパスポート・コントロールにて。



  

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

アフロディ-テが誕生した島・・・いいっすね~。歴史的な建造物があって楽しそうですね。

歴史を感じるのって素敵ですね。

しかしいろいろと複雑そうな国ですね。

匿名 さんのコメント...

kozzyさん

そうです。アフロディーテ。
波から誕生したそうな。
白い岩の、綺麗な海岸でした。