2010年6月15日火曜日

千本桜


南アだけではない、ロンドンでもジャパンは頑張っている。
日本でもニュースになったでしょうか、海老蔵がロンドンに来ています。

将来、退職したら歌舞伎座の近くに住んで芝居を観る毎日を送りたい、なんて漠然と考えているくらいなので、もちろん、今回の公演も行きます。
別に海老蔵が贔屓という訳ではありません。
奥さんに興味がある訳でもない、念のため。

で、演目は義経千本桜。
千本桜と言っても色んな段があって、こちらのメディアでは KABUKI と EBIZO のキーワード二つでしか伝えられていないので、ロンドン公演でどの段をやるのか分からない。

噂では宙乗りがあるらしいので、河連法眼はやるでしょう。そうすると渡海屋・大物浦の知盛の入水はないのかなぁとか、やはり吉野山は観たいなぁ、と日本で観る時とはちょっと違った楽しみがある。

歌舞伎の魅力は書き出すとキリがないし、その深さと広がりは とてもこんなちゃちなブログで語り尽くせるもんではありません。

例えばこの千本桜。
義経千本桜と言いながら、義経は必ずしも主人公ではない。
義経を巡る様々な人々の人間模様(時には動物であったり)を桜に見立てて描く。

源平合戦の史実を踏まえながら、そこに親子の情愛、主君への忠誠、義理人情が交錯する・・
大胆な本歌取り、○○実は××という人物設定の複雑さ。

市井の人々、義経の敵ですら、一人ひとりの人生は桜のように美しく、しかも儚い。
日本人の桜に対する感性、人生観・死生観まで、このタイトルは見事に表現してます(と私は思ってる)。

歌舞伎は世界に誇れる日本文化の集大成、
ぜひ沢山のイギリス人に観てほしいと、本当にそう思うのです。



 

  

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