2009年12月21日月曜日

Greyhound


Greyhound がアメリカからやって来て、運行を始めるらしい。


感慨深い、です。

青春と言っては照れ臭いですが、どっぷりグレイハウンドと過ごした時期がありました。

2週間とか3週間の乗り放題パスを買って
アメリカ大陸横断だ、縦断だ、と何回乗ったか覚えてないくらい。
ロサンゼルスのターミナルで、誇らしげに行き先を "NEW YORK CITY" と表示したバスを見ると、なんだか武者震いしたものです。
こいつは、これから数千kmを走るのかぁ、と。

とは言っても、決して快適ではなかった。
明けても暮れても、ひたすら地平線が見えるだけ。
来る日も来る日も、バーガー・キングのハンバーガーだし、
リクライニングも無いような狭い席で、とにかく腰が痛い。

新天地を求めて来たのか、メキシコからの移民の親子がいたり。
飛行機に乗るお金がないからと、何日もかけて東海岸の息子に会いに行くおばあちゃん。
皆が寝静まった頃、後ろの席からひそかに聞こえる同性愛者同士の囁き・・

アメリカの縮図のような世界を乗せて、昼も夜も、グレイハウンドはアメリカ中を走ってました(多分、今も)。

当時、わたしのバス旅の友は、ソニーのラジカセとニコンFE2。

彼方の地平線に高層ビルが見えて 町が近付いてくると、
だんだんFMの電波が入るようになります。
Atlantic Starr の Secret Lovers
Heart の These Dreams
Peter Gabriel の Sledgehammer
Bangles の Manic Monday
Elton John の Nikita ・・・
FMが受信できるのは町が近い間だけ。一曲も逃すまい、とラジカセにかじりついてました。

フリー・ウェイが片側2車線から4車線、5車線に増え、
間近に迫ってきた高層ビルを巻き込むように大きく蛇行して、
ちょうどDire Straits の Walk of Life のキーボードが聞こえてきた時、若き日のわたしは思いました。
わぁ、アメリカだー、と。



昔読んだ「深夜特急」を、久しぶりにパラパラと読み返す。
確かに面白いけど、今はこんな旅、出来ないなぁ
歳を重ねて、何かと楽な方に流されてしまうからか、
ストイックに旅を求める気持ちが擦り切れてしまったか。

イギリスに来るグレイハウンド。
20代に戻って、乗ってみようか・・なんて考えてます。


"Kathy," I said as we boarded a Greyhound in Pittsburgh
"Michigan seems like a dream to me now"…
(Simon & Garfunkel – America)



  
 




 

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